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zoom RSS 【追憶】組合活動で学んだアジ

<<   作成日時 : 2009/07/13 21:37   >>

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私、複数の自治体で勤務ということもあり、自治労系、自治労連系、2つの組合に在席してたりしました。
役員とかもやったりしましたが、その中で、上部団体との関係が出てくるわけです。
自治労では、旧社会党系(現在では民主党系)、自治労連では共産党が、バックにいるわけなので。

そうなると、各種の政治ビラの書き方とか、学ぶわけです。
私は、近代史とか興味があったので、まるで、学園闘争のアジビラみたいな政治ビラの書き方は、もう、かぶりついて勉強したものです。

ということで、今日は、政治系アジビラのテクニックを見ていきましょう。
ちょうど、(賞味期限切れですが)転載歓迎の抗議文書が回っているので、今回のテキストにしてみましょう。
本来の用途とは違う転載ですが、全文転載なので、ご勘弁くださいな。

(転載歓迎)
【緊急声明】 海賊対処法案の成立に強く抗議します

 麻生政権と自民・公明両党に対し、「海賊対処法案」の撤回を求め、ソマリア沖とインド洋・アラビア海から自衛隊を撤退させることを要求する市民の共同声明運動・事務局、奥田恭子・加賀谷いそみ・井上澄夫
      2009年6月19日

 国会で本日(6月19日)、海賊対処法(「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」)が成立しました。戦闘を誘発する危険性が極度に高い同法の制定は、日本国憲法の前文と第9条を踏みにじる暴挙であり、私たちは、麻生政権と自民・公明両党に深い憤りをもって強く抗議します。

【注】:「暴挙」は、この手の文書の常套句です。この文書は比較的上手ですが、下手な文書だと1文書中に何度も何度も出てきて、かえって心証を悪くする場合があるので、使うポイントに注意。「極度」も同じく。

 海賊対処法は海上自衛隊の任務に「海賊対処」を加えました。3月30日以来強行されている海上警備行動に基づく「海賊対処」は、ソマリア沖海域の現場で同法に基づく作戦に切り替えられます。艦隊派遣を先行させ、あとから根拠法を作る手法は2001年の〈9・11〉に対応して小泉首相(当時)も用いましたが、法律に依拠せず軍の展開を急ぐ、このような政治のありかたを私たちは深く憂慮します。

【注】: 文節を複数重ねることによって、前の文節を説明用、後ろの分節を主張用に分割して使用しています。
また、後ろのパラグラフほど力強い表現を用いることで、主張を強化します。
しかし、「海上警備行動」という、派遣根拠を明示しているのに「強行」「法律に依拠せず」と言っています。この前後矛盾は減点。


 同法は「危害射撃」を海上自衛隊に認めていますが、これは先制攻撃によって他国の人びとを殺傷することに他ならず、国の交戦権を否認する憲法9条2項に明白に違反しています。海賊対処法の制定はまさしく違憲立法です。

【注】:海賊、つまり非合法武装集団に対して「他国の人びと」という、平和なイメージの呼称を与えることで、ターゲットである「政府」「海上自衛隊」のイメージダウンを図るテクニックです。
あと、斜体で示した部分は、主張強化のため、意図して間違った記述をしていると考えらえます。「海賊(=非合法武装集団)」は、「国」ではありませんし、ソマリア政府の統治下にも置かれていませんので、この問題は発生し得ません。たぶん、書いた本人も知ってて書いているでしょう。


ソマリア沖で活動している海上自衛隊のP3C哨戒機は、1999年3月の能登半島沖不審船事件の際、「不審船」を停止させるためとして150キロ対潜爆弾12発を投下しました。そればかりか、今後は、重武装の護衛艦(駆逐艦)や搭載武装ヘリが武器をふんだんに使用する危険性があります。同法に基づく「海賊対処」は、麻生首相が強弁する「警察行動」どころか、まさに戦闘行為、戦争そのものに発展しかねません。

【注】:下線で示した部分ですが、基本、特定のアイテムが無関係な事件で使用されたことを持ち出して拡大憶測を行うことも、主張強化の手段です。あと「強弁」も、前述の「暴挙」に類するものですね。
また、前述のとおり、海賊はソマリア政府の統治に属していませんし、何より、ソマリアは、無政府状態ですので、国家間戦争に発展することは、99.9999(以下略)%ありえません。仮にソマリアのどこかの部族と武力衝突したところで、(どちらかに相当のヤル気がないと)地球の裏側の国同士ですので、戦争を継続しようがありません。
冷静に考えればわかることですが、針の先のような可能性を根拠として(かつ、より一般的に想定される状況を考慮せず)拡大推測で主張を行い、自分の主張の裏打ちのひとつとすることも、政治アジ系文書の常套手段です。


 ソマリア沖の護衛艦隊はこれまですでに、海上警備行動では「任務外」の外国船舶の救助に踏み込んでいました。その中で海上自衛隊は武装ヘリを出動させ「駆けつけ警護」まで行ないましたが、それが違憲行為であることは、政府自身が認めていることです。この度、海賊対処法が海上自衛隊の警護対象に外国船舶を含めたことは、海上自衛隊の活動が地理的にまったく制約なく拡大する危険性を秘めています。私たちは「満州事変」(中国東北部侵略)が出先の日本軍、関東軍の暴走によって引き起こされたことを知っています。私たちの目が届かない海域で出先艦隊が暴走することを私たちは強く危惧します。

【注】:「違憲行為であることは、政府自身が認めている」という表記ですが、公式見解は「合憲」です。政府筋のコメントというのは、多数存在するわけで、そのうちのひとつを適当に曲解すれば、簡単に逆の発言にすることができます。このへん、書き手の観察力次第ですね。
また、下線部の「満州事変」以降の記述も、前述と同様、無関係の事件を拡大憶測に用いるテクニックです。


 海賊対処法は成立しましたが、私たちは同法に基づく「海賊対処」に反対です。
麻生政権にソマリア沖とインド洋に派遣されている海上自衛隊艦隊の即時帰還を強く求めます。そして私たちは、海上自衛隊の隊員のみなさんに、不当・不法と感じる命令を良心に基づいて拒否することを呼びかけます。

【注】:「されている」には、使役の意味が含まれています。「無理矢理」的なイメージを植え付ける語法の技術です。

 20カ国もの海軍がソマリア沖で活動しても問題は少しも解決せず、事態はますます深刻になっています。問題の根にあるソマリアの惨状に向き合い、法治国家としての再生を支援することが、今、何より求められています。私たちは日本政府に対し軍事によらないソマリア再建支援を強く求めます。

【注】:下線で示した部分のように、ターゲット(政府・海自)の活動により事態が悪化しているように誤読を誘うのも、テクニックです。
あと、アピール文書自体を難文化・長文化して、「なんだか難しいが、そうだなぁ」と、思わせることも手段のひとつですが、場合によっては、見ただけで敬遠されるリスクを含んでいるので、使いどころには注意する必要があるかもしれません。

(以上、転載ここまで)

と、まぁ、このように、この手の「政治的アピール文書」には、いろいろなテクニックが隠されているわけです。
あと、「目的のためには論拠を選ばす」的なところを探すのも、楽しかったりww

そーいう視点で見てみると、これはこれで、面白いものですよ。

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