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zoom RSS 尖閣諸島沖・衝突ビデオ流出事件と情報統制

<<   作成日時 : 2010/11/09 23:01   >>

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基本、私のスタンスとしては、役所の内面的なコトを重視して、記事を書くことを心がけているわけで、可能な限り国政等に意見することは避けているつもりです。
ですが、今回は、ちょっと思うところがありますので、可能な限り、内面的に、本件を語ってみたいと思います。

なお、最初に言っておきます。
規則に違反して、行政情報を漏洩したことは、公僕としては問題行為です。
仮に、公開することで現実的な利益があったとしても、公開の利益>公開の不利益が確定できない限り、擁護はできません。

同時に、懲戒免職級の行為ではありますが、k.k.個人としては、現場心情から、最大限の情状酌量を願うものです。
(ハッキング・クラッキング等による情報流出だとすれば、話は変わりますが)

で、以下本題です。

まず、役所の情報管理の基本は、「公開」が原則です。
これは同時に、情報公開の法整備が進んでいることからも、役所が守らねばならないものでもあります。

基本、人の口に戸は立てられないわけですが、それを「守秘義務」で死守するのが、役所の機密管理です。
しかし、本件については、特定多数の人物が現場に存在していたわけで、情報管理上のリスク管理に不安があるという前提条件です。
にも関わらず、情報秘匿の方針を打ち出したわけです。政府は。

これは、非常にリスキーな方法です。
特定少数しか知らない情報を厳重に管理するのとは、困難の度合いが異なります。

私の仕えてきた上司の多くは、今回と同様、無理な情報秘匿を選び、自滅しました。
逆に、情報を公開し、アクティブにコントロールして、組織や世論に対して、先手先手を取ることを選んだ上司ほど、上手に対抗勢力と戦ってゆきました。

これは、あくまで、私の体験談であり、それが全面的に正しいとは思いません。
また、地方行政レベルでのお話であり、国政とは一定の差異があるでしょう。

しかし、10年以上も前から国が情報公開を前提とした法規整備を進めていたことも、また事実です。
ですので、今回の尖閣ビデオ問題に対する情報秘匿方針は、時代に逆行するものであり、秘匿に対する技術的タクティクスにも問題があったと言ってよいでしょう。
何よりも、都合の悪い情報ほど、率先して公開することこそが、昨今の情報管理の基本であることは、疑いありません。

つまり、この失態は、起こるべくして起こったと。

以上、私は、この問題について、外交的な部分や政府の領土問題に対する姿勢について、(思うところはあれど)どうこう言うつもりはありません。
ただ、最初の意思決定がまずかったと言いたいだけです。

隠せば隠すだけ泥沼にはまる。

それが、現在の役所を取り巻く情報管理の在り方であり、今回の事件は、その顕著な失敗例だと考えます。


最後に、重ねての記載となりますが、この事件について、許されないことは重々承知しながらも、現場関係者の情状酌量を、深く願うものです。

追記:
それはそうと、今まで、映像を「出せ!出せ!!」と、言っていた人たちが、「政府の失態だ〜」に、発言を切り替えたことには、正直、うんざりしています。

まぁ、失態は事実なんですが、希望していた映像が出てきたのに、それに関しては、放置な態度が・・・

あと、内部流出だとすると、そろそろ、自首があっても良い頃合かもしれませんね。

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
私は特定の地方自治体の内情しか知らない人間ですが、管理人様の
>「守秘義務」で死守
という部分には、いつも現状に疑問に感じ憤っている一人です。それも激しく・・体が怒りで震える程度に・・。

例えば、重要書類が保管されている書庫が施錠されていなくても「ここは一般の方は入室禁止の場所なので大丈夫です」と言ってみたり、機密文書が机の上に放置されていても「他に職員も居るし執務室は部外者立ち入り禁止なので大丈夫です」と平気で言い放ったりします。・・・・「だったら今、お前の後ろを歩いている保険のおばちゃん(外交員)は何なんだよ」と小一時間問い詰めたい衝動に毎日駆られています(`Δ´)

施錠されていない部屋にセキュリティーという言葉は存在しませんし、保険のおばちゃんが歩くような空間は出入り自由と称するのが普通の感覚です。それを「キチンと情報は管理されています」と言い切る感覚は民間上がりの私には絶対的に理解できません・・・・が、口に出すと変人扱いされる体たらくだし・・・・orz

ハッキリ申し上げて役所にセキュアな空間はほぼ存在しません。ですからこれらの情報管理はザルというのが、おそらく日本各地の実情ではないかなと強く強く思います。

豆腐の角に頭ぶつけて気絶する位の勢いで反省しろと、その筋の方々には言いたいですね。
みかなん
2010/11/10 00:15
追記ですが、腹が立つ最大理由は「禁止された場所から盗んだのならば不正に入手した者が悪く、情報の保管者に責任は無い」という理屈のみが重視されている事です。つまり実効上のセキュリティは関係なくて、アリバイさえ作られていれば後はどうでも良いとする、所謂お役所感覚に嫌悪を覚えるのですね。あ〜嫌だ嫌だ、一緒に見られたくない・・とね(苦笑)
みかなん
2010/11/10 00:36
> それはそうと、今まで、映像を「出せ!出せ!!」と、言っていた人たちが、「政府の失態だ〜」に、発言を切り替えたことには、正直、うんざりしています。
外交・安全保障においては、党利党略を捨て国益を第一に考えて行動して欲しいものです。
無理に挙国一致体制を取れとはいいませんが、今の野党は単に政府与党の足を引っ張りたいだけで、
その行動が日本の国益に即しているとは感じられませんね。
通りすがりの一市民
2010/11/10 00:37
でもあのビデオは一番肝心な
ところがうつってなかったらしいですよ。
知り合いのブログのコメントから
引用します。
「最も重要なのは、支那漁船を停戦させた後です。
海保職員が乗り込み、格闘の末、海保職員は海に投げ落とされたそうです。
そして、支那漁船は、海に落ちた海保職員を殺そうとして何度も突撃したそうです。
今回の流出映像には、その乗り込み、格闘、海に転落、殺人未遂、逮捕などのシーンがありません。」
ということらしいです。。。
うっきょ
2010/11/10 02:05
と言うよりですね、情状酌量されなくとも、「政治判断」が入らなければ、大した罪にはなりませんよ。
秘義務違反で有罪にするためには、流出したものが
一般国民には秘密にするべき内容だと裁判所が判断する必要がありますが、ただの衝突事件の記録映像ですからんぇ・・・過去の最高裁の判例通りなら無罪もあり。
みの氏の番組でも特捜部の元検事さんが近い事を言ってましたね(社民のみずぽさんはイマイチ納得されてませんでしたが)。

それに裁判になった場合の証拠としても、被告となったであろう船長は返してしまった後でこのまま不起訴になるでしょうから、裁判前に公開したとしても被告になにか不利に働く・・・と言う訳でもないから、事前公開が何か問題になると言う訳でも無し。

それに免職は避けられなくても、今なら英雄扱いで引く手あまたでしょう。
通行人
2010/11/10 06:11
2010/11/10 06:11 訂正
秘義務違反 → 守秘義務違反
記録映像ですからんぇ → 記録映像ですからねぇ
通行人
2010/11/10 06:12
管理人さんです。

ごめんなさい。
このエントリーのコメント欄にレスすると、私の基本スタンスから外れてしまいそうなので、そのあたり、ご斟酌ください。

ただ、一言。
矛盾を最後に調整するのは、現場でしかありません。

良くも悪くも・・・
k.k.@管理人
2010/11/10 22:05

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