地方公務員拾遺物語 別館

アクセスカウンタ

zoom RSS 【年金統合】厚生年金と共済年金を統合すれば「官民格差」はなくなるのか?

<<   作成日時 : 2011/07/12 23:52   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 12 / トラックバック 0 / コメント 8

久々に、年金のお話をしてみたいと思います。
2018年以降ともいわれる、厚生年金と共済年金の統合ですが、この統合により、制度間の不公平が是正されると言われています。
確かに、その2つの制度の上では、不公平は是正されるでしょう。

しかし、「官民格差」という視点から見た場合はどうでしょう?

結論から言えば、複数の面での「官民格差」が、残ることになります。

まずは、全体像から見てみましょう。
一般に、厚生年金は、条件さえ満たせば、アルバイトでも加入することができます。

ですので、仮に、統一が完了したとして、統合後の厚生年金の中で、「民間」と「公務員」を区分した場合、アルバイトが、「民間」側の平均値を押し下げることは間違いありません。
また、官公庁のアルバイトですが、現在でも給与関係の統計では「民間」側として積算されているので、これも微少ながら「民間」側の平均値を押し下げる要因の一端となるでしょう。

結果、平均受給額としては「公務員」のほうが高いという実態に変化はないでしょう。

次に、正規雇用の「民間」と「公務員」を比較した場合、どうなるのでしょうか?
年金統合の結果、公務員の「職域加算」はなくなります。
しかし、民間企業側の「企業年金」は、生き残ります。

一般に、企業年金は、企業負担ですので、公務員の職域加算と同じようなものです。
つまり、「民間」側にのみ、3階建て部分が生き残るわけです。

この結果、「民間」側にのみ、有利な制度が残ります。

もっとも、(ほとんどの場合)中小零細企業には企業年金はありませんし、あっても退職金の代替措置として運用されていますので、一定規模の民間企業に対してのみの措置となるでしょうが。

だったら、公平性の面から、共済年金と厚生年金は統合しても、「一定規模」な事業所である、官公庁職員(=公務員)の職域加算を残しておいても良いような気もしますが、まぁ、決まったことですので、あきらめましょう(苦笑)。

以上、厚生年金と共済年金を統合しても「官民格差」はなくなりませんし、結局、年金制度をネタにした公務員叩きが消えることはないでしょう。

そして、同時に、企業年金の存在により、公務員側からの「妬み」要素を生むことにもなるかもしれません。

結局、制度改革とは、ひとつの不公平を解消して、別の不公平を生むだけのことかもしれません。
もっとも、そうやって、その時代時代の世の中の歪みを小さく保つことこそが、制度改革の意味のひとつでもありますが。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 12
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
数年前に国会提出され、当時の野党第一党反対で継続審議を繰り返し、政権交代後に「新しい年金制度を作るから必要ない」として廃案にされてしまった『被用者年金一元化法案』がありました。

この法案が政府・与党で議論になっていたとき、年金・退職金等の「退職後の所得補償」の官民格差や国際比較について、内閣から人事院に調査を依頼した事がありました。

で、退職金は官民較差の結果であり、民間企業の三階部分(企業年金)が全額会社負担なのに対して、共済年金の三階部分(職域加算額)は本人が半分負担してる。結果、『寧ろ公務員の方が劣る』という結論が出たのでした。※なお、国際的に日本の退職した公務員の所得補償の水準は、先進諸国の実情からすると著しく低位。という数字が示された。

で、拍子抜けした政府与党は、アレコレ”条件”を附して再調査させて、『公務員優位』という結論を導き出した上で、件の法案を国会に提出したのでした。、

とはいえ、同法案が可決されていたら、パートの厚年適用拡大も共済年金と厚生年金の統合も、(法案にあった施行日規定からすると)既に実現されていた筈でした。

アレを潰したのは民主党さんですが、「非正規雇用の適用拡大、被用者年金一元化の先行」を自分たちの政策として、今売り込んでいるのも民主党さんです・・・。(嘆息
秘匿希望。
2011/07/13 09:27
秘匿希望さんのお話はとても驚かされました。
よければ、もう少し詳しく教えていただきたいです
ゆき
2011/07/13 21:39
『公務員が日本を救う』(榊原英資著・PHP研究所)を読んでいます(流し読みですが)。
日本の公務員数は先進国最低レベルであること、人件費もそれほどかけていないこと、公務員の働きは世間で言われているほど楽ではないということがよく書かれています。
もちろんこの本の内容が全て正しいというわけではないでしょう。問題点も多々あります。
しかし、行き過ぎた公務員批判に歯止めをかけるということについては、本書はかなりの意味を持つことでしょう。
kj
2011/07/13 21:44
何を書けば詳しく説明したことになるのか、悩ましいのですが。。。

厚生年金と共済年金統合方針が閣議決定されたのは、平成18年4月(自民党政権の下)でした。
で、当時の官房長官から人事院への調査依頼がなされて、平成18年11月に”民間企業の退職給付等の調査結果及び新たな公務員年金に係る見解に関する官房長官宛て書簡”という報告が人事院から官房長官充てに提出されます。
子細は、以下のアドレスでお願いします。
http://www.jinji.go.jp/nenkin/nenkintop.htm

で、平成19年4月には、”厚生年金と共済年金を統合し、パート等の適用を一定の範囲で拡大する法律案”が自民党政権の下で作られて、国会に提出されます。
『被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案』というのがそれで、第166国会の話です。
国会(衆参両院)で可決されれば、法案に書き込まれた年月日から、これらが実現する段階までは進んだのです。(平成19年の段階で。)

この法案の全体は、以下のアドレスでお願いします。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm
この法案の概要の説明等は、以下のアドレスでお願いします。(ページの一番下)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/166.html
秘匿希望。
2011/07/13 22:26
当時野党であり参議院で第一党だった民主党さんは、「国民年金も含む一元化案でないのはけしからん」という事で、反対します。(厚生年金と共済年金の統合を行おうとする法案です。)
この法案は、継続審議の手続きを行って、次の国会に審議を持ち越すという事が繰り返されます。これは第166国会から第171国会まで続きます。

結果として、政権交代が生じた衆議院選挙に絡む国会の解散で、この法案は正式に葬られます。

で、政権党となった民主党さんは、「新しい年金制度を創る」と仰って今に至ります。
ちなみに、民主党さんが今行おうとしている年金制度改革は、「自民党が平成19年段階で行おうとした事と、おおむね同じ」でして、これを第1段階としています。
マニフェストにあった「新しい年金制度を創るのは、第2段階としてその後に考える」というのが、現在の民主党さんの公式見解です。
所謂「社会保障と税に関する一体改革の案」の中に書いてありますので、政府与党の現時点における公式な方針だと考えられます。

結論からすると、もし、自民党さんが提出していた法案が可決されていたら、去年4月から今年4月にかけて段階的ながら「厚生年金と共済年金の統合・パートの適用拡大」は完了していたという話ですた。

民主党さんが政権交代してから「官僚の抵抗を廃して厚生年金と共済年金の統合方針を決めた」という構図では決してありません。
自民党政権が官僚の抵抗を廃して決めていた事を、民主党さんがその段階で反対して潰した事を、改めて行おうとしているという話です。(トホホ
秘匿希望。
2011/07/13 22:31
管理人さんです。

うーむ。
管理人さん、何も知りませんでした。
というか、また今回も、本文よりも、コメント欄のほうに、重要なコトが書かれている・・・onz

精進しますです。
k.k.@管理人
2011/07/13 23:27
秘匿希望さん、丁寧な説明ありがとうございました。
後で、詳しく勉強させていただきます。
ゆき
2011/07/14 07:26
今更ながら、”厚生年金と共済年金を統合すれば「官民格差」はなくなるのか?”という管理人様の論点については、全面的に同意です。

一連の私の投稿で、いきなり論点を変えてしまった感があるので、反省中です。(トホホ

やってしまった。。。(・人・)

ただ、今後を占う上でも、過去の経緯・その時の関係資料などを目にすることは参考になると思うので、、、、ご容赦いただければと。(苦しい言い訳;;

−−−−−−−−−−
今の政府与党の方針にある、「2018年以降ともいわれる、厚生年金と共済年金の統合」に関しては、まだ方針の段階で、完成予想図(イメージ図)の段階に見えます。外からは。

かつて、自民党政権の下で提出された「被用者年金一元化法案」は”廃案”ですので、完全に同じものを国会に提出する事は難しいでしょう。故に、これから「現政府&与党の方針に則した法案」の作成が、新規に着手される事になるでしょう。

もちろん、まだ法案の実体が存在しないので、詳細についての確定的なことは判らない段階です。自民党政権自体の「被用者年金一元化法案より素晴しい制度設計に基づく法律案」が出来る可能性はあります。当時は検討課題とされた職域部分の扱いの具体化も気になるところです。

ただ、『かつて自分たちが葬ったもの、既に実現していたはずのもの』を、『いかにも自分たちの発案・これから実現に着手』みたいに宣伝されると、何か複雑でして・・・。数年間という時間が無為になってしまいかねないですから。

被用者年金の一元化や非正規雇用者も被用者年金の制度の下に・・・という方針には、私個人は賛成なので、無事に進んで欲しいとは思いますけど。
秘匿希望。
2011/07/14 11:04

コメントする help

ニックネーム
本 文
【年金統合】厚生年金と共済年金を統合すれば「官民格差」はなくなるのか? 地方公務員拾遺物語 別館/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる