ボランティアは公務員の代替となるのか

ごく稀に、公務員制度をなくし、公務員の業務をボランティア、もしくは、低賃金なアルバイトで代替すべきというご意見に出くわすことがあります。
基本、低賃金で、それ以上の業務を行うことも、昨今ではボランティアに分類されますので、ざっくり、十把一絡げに、論じてしまいましょう。

さて、現在、全国には有償でフルタイム勤務する300万余の公務員が存在します。
まずもって、これと同じ、300万人余の常勤ボランティアを確保できるかという問題があります。

もう、この時点で、絶対、無理ですね。
非常勤にすると、その数倍、必要ですし。

また、警察・消防など、24時間営業の官公庁も存在します。

治安維持組織の類似例として、日本にも、ガーディアンエンジェルスのようなNPO法人がありますが、メンバー総数は300人程度(Wikiソース)。
実働人数は不明ですが、全国300人で、日本の治安は守れません。

次に、義務を負わない人が、同じく、義務を持たない人たちを、統率できるかという問題があります。

仮に、無償でフルタイム勤務する300万余のボランティアが集まったとしましょう。
それを、金銭や福利厚生などという対価なしに、統率できるでしょうか。

基本、目的意識のないボランティアなんて、存在しません。
各々が、自らの目的や理想を持って集まってくるわけですから、それぞれの意見の対立が発生します。
それを統率するのに、何をもって統率するのでしょうか?

意見が採用されなかった人は、モチベーションが下がるでしょうし、最悪、辞めてもペナルティはありません。

とんでもないカリスマを持った人間が、数十万の単位で存在しないと、そんな組織は維持できません。

現場レベルでも、辞めるのは自由です。
生活保護の担当者にでも当たれば、即日退職する人が、後を絶たないでしょう。
予算の時期、無償で連日の深夜残業のできるボランティアが、どの程度存在するのでしょう。
連夜、税金の未納者宅に出向いて、逆に怒られる毎日より、とっとと辞めてしまうほうが絶対に楽なのですから。

そう。
辞めても、何の損もありません。
ペナルティもありません。
元々、ボランティアなのですから。

何より、毎日、他人様に頭を下げて、ボランティアをする人が、どの程度いるかということです。

真面目に、国や地域のことを考えている人もいるでしょうが、興味本位の人や名誉目的の人もいるでしょう。
その中で、熱意や責任感を一定水準以上に保つことは、簡単ではありません。
まぁ、無理と言って、間違いはありません。

そのうえ、思想・政治的主張・活動を法律で民間人以下に制限されるわけですが、これでも、ボランティアで公務員をやろうと言う人がいるなら、その人は聖人君子でしょう。
そんなもの、存在自体がレア物ですので、300万人を国内から集めることなど、不可能です。

そのうえ、継続的に組織を維持するために必要な知識や技術の伝承といった問題も発生します。
ボランティアが、恒久的に活動できるなど、基本、稀な例ですので。

以上、公務員をボランティアで賄うことは、不可能です。

ボランティアというのは、最終的に本人次第。

やりたい人がやる。
やりたくない人はやらない。
やりたい人はやりたくない人を強制しない。
やりたくない人はやりたい人の足をひっぱらない。

そんな世界に、絶対的責務の論理を持ち込むことは間違いです。
また、なんでも、タダでできるという考えも。はい。


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この記事へのコメント

みかなん
2011年10月11日 22:41
誤解を招くかも知れませんが、私はボランティアに携わっていることを前面に押し出してくる人間が嫌いです。それはそれは見かけるのも嫌悪するくらいに・・。

その昔、ボランティアとされる活動に携わり本業やら身の回りの基本的なことを疎かにした知り合いがおり、その者に身の回りの事すら出来ないのならば活動から身を引きなさいと戒めたことがあります。
その者が私に返した言葉が「あなたはボランティアの意義を理解していない」でした。即座に「ボランティアを便利な言い訳に利用する者に、ボランティアに携わる資格はない」と断じて、関係はそれっきりとなっています。
その時は、類友の法則発動で私が追われたのですけどね。まぁ、その後も職を転々としているらしいので、未だに言い訳に使ってるのでしょう。

そんな経験が有るので、ボランティアに良い印象はなく、もちろん優秀な団体やスタッフも居られるでしょうが、先に述べた程度の人間も混ざるのは確実ですから、まぁ記事のような代替えは無理ですね。間違いなく。

そもそも、今の報酬でも欲しいと思える程度の人材からは避けられるのが現状ですからねぇ。この記事の基となることを言うような人に限って、スタッフに満足できずに激怒すると思いますよ。


ちなみに、これらの後遺症で未だに件のボランティアが携わるお祭り騒ぎを、とっても滅茶苦茶に濃い色眼鏡で眺めている自分がいます。
無縁仏
2011年10月11日 22:56
議員や公務員はボランティアでやれという人が巨大掲示板でも頻出したので、「徴公務員制」というのを提案したことがあります。もちろんギャグですが(笑)。

公務員をボランティアではなく、国民の義務とする。労働人口比の6%が公務員であることを考え、期間は3年。若林某によると公務員の実質は900万人だそうだから、それだと7年。
この期間を無報酬の公務員として強制的に働かせるのです。

志願兵や傭兵に比べ、徴用兵は士気が低いといわれますので、現在のレベルを保つためには適当に見積もって1.5倍必要とします。つまり全国民10年間、無報酬で公務に就かせるのです。
言い出したのは「公務員減らせ、人件費減らせ」の国民なんですから嫌とは言わせません。

「60歳で定年になったら65歳までどうやって食いつなごう?」どころでない大混乱が生じます。無責任なことを言えば面白いです。極右や極左やカルト宗教団体など、ちょっとお近づきになりたくないような人は入ってくるかも知れませんね。
そこまで壊れてしまってもいいような気がします、この国は。
2011年10月11日 23:23
管理人さんです。

「みかなん」様
あと、「ボランティアだから」と、何故にか行政に支援を求めてくる団体さんとかww

私の体験ですが、ボランティアでイベントをしますと、企画書を出してきた団体がありまして、内容に目を通すと、財務はすべて行政持ち、事務局も行政持ち・・・って、それ、ボランティアじゃないし。
ちなみに、当時の上司ができた人で、その団体を1から叩きなおして、2年後、自立させたのには、拍手喝采でしたが。

「無縁仏」様
それは、見事なリターンエースですねぇ。
噴いてしまいました。
まぁ、そんな士気の低い職員なんて、勘弁してほしいというのはともかくww
等々力
2011年10月12日 00:56
資格任用=近代的官僚制が先進工業国で勝利を収めたことをもって、「公務員はボランティアで代替できる」のごとき妄言は基本的には一蹴されたはずなんですがね。さすがに、私はそこまでラディカルな「意見」に未だ接したことはありませんが、よくよく考えると公務員の賃金決定因子に非正規・零細企業労働者の賃金も含めよという主張を延長してゆくと、やがてボランティア代替「論」に行き着くことに気がつきました。笑ってすませられません

それはともかく、地方自治体の公園管理なんかでは市民との協同ということで、ボランティアの進出が著しいですよ。管理事務所主導でボランティアを組織化して、花壇の造成とか、清掃とかいろいろやってもらっているそうです(例:神奈川県公園協会http://www.kanagawa-park.or.jp/volunteer/)。あまり熟練を要しない作業なんかは、それなりの質を保ちながら、業者と契約するよりも相当経費の節減になると聞きます。まあ、そもそも公園管理自体が近年は公務員の仕事でもなくなりつつありますが、ともかく、ボランティアの公共部門への進出ということは今後も盛んになると思います。
とれとれ
2011年10月12日 01:12
そんなに熱心ではないものの、それなりの長期間ボランティア活動に参加している身としては、例え非熟練作業でも一定数以上の人たちを働かせるのにはそれなりの熟練者なり組織が必須なわけで。たまにならともかくそれが恒常化するとなるとその人たちはどうやって生計を稼ぐのかと…全国民を対象に条件問わずで生活保護並みの給付があるなら別なんでしょうけれど。
g@yyt
2011年10月12日 11:02
公務員ボランティア代替論に関しては、かつての志木市長さんによると正規職員は50人でできるそうですが、「権力行政」を小さく定義することでそのようなマジックができます。ボランティアが代替できる「権力行政」もどきは、納税通知書の発行は正規でやるが、それを折って封筒に詰めるのは代替可能、とかいうものでした。

公園管理とか給食調理、公用車の運転など、「だれでもできる」とみなされている職は、民間でもボランティアでも代替可能かもしれませんが、もうすでに代替されていますよね。

毎日人に頭をさげて、怒鳴られ、場合によっては刃傷沙汰にもなるのにボランティアでつとまるかというのはそうですが、公務員に頭を下げさせ、怒鳴り、刃物をもちだす人がボランティアとして中の人になるわけで、そのようなケースは激減するかもしれません。
革命烈士
2011年10月12日 15:27

外郭団体理事などの天下りポストは名誉職でいいと思う。
既に金も地位も持ってる方々にやってもらうべき。

定期的に予算が下りてくる、あるいは業務独占が保障されている団体については、才能や専門性なんか要らないでしょ。

某検定団体に天下った親戚は、経費で5つの全国紙+地方紙2つ、業界紙2つを買って、それを読むだけですから。

しかも重役出勤だし。まじで税金泥棒は死ぬべきだと思ったわwwwwwww
やまおう
2011年10月12日 22:58
はじめまして。

現在、被災地自治体に派遣されています。
ボランティアの方には「給料出ていいですね」
などと言う方もおられます。
しかし、実際に苦情対応の業務は、
自己実現を目的にしているうなボランティアの方には不可能
だと思います。
求められることをやっておけばよいボランティアと、
決められたことしかできない行政の違い。
それを説明することは大変なことなのです。
市町村が対応できる範囲を超えている時点で、
市町村が回答できる範囲は非常に狭い。
結局は国の回答待ちであり、自己実現を目指しているようなボランティアの方には我慢できる内容ではないでしょうね。
2011年10月12日 23:33
管理人さんです。

そういえば、たしかに、アダプト・プログラムみたいな制度もありますよねぇ・・・
自分で担当していて、失念していました。

ちなみに、上司が変わった時、「何だ?その卑猥な名前の制度は??」とか言われて、面食らったことがあります。

いや。
アダルト・プログラムじゃないから。
・・・と、先輩がツッコミを入れていましたが、上司はマジでした。はい。
2011年10月16日 23:13
管理人さんです。

あー。
それ、何か元ネタがあったはずですよ。

で、以前、コメント欄で、お給料を下げれば、トヨタ等、有名企業は、もっと栄えるのか・・・みたいなコトを書いていただいた方がおられましたっけ。

まぁ、その知恵袋も、2番煎じな質問ではないかと。
2011年10月17日 14:12
さすがにボランティアを舐めすぎです。
行政との折衝や「地域の有力者」(所謂・・・)との話し合いまで汚れ仕事も含めて行いますし、先にあげられた税金、生活保護関連などきつい仕事でも目標達成のためにやるべきことだと理解している人が多いです。また、これは良し悪しでしょうが、左派出身の方が多いようで上下関係などもかなり厳しく統制も強いです。

あまりに偏見が酷いので一度大規模ボランティアに参加されてはいかがでしょうか?
ステート
2011年10月17日 19:25
>Kさん
確かにボランティア精神の強い人は一定数存在しますし、個人による人単位の支援活動は大きな支えになっていると思います。その点は決して過小評価すべきでないし、本当に管理人さんがそう言っているのであれば指摘するのは正しいと言えます。
ただ、いくつかのボランティア運動に参加した自分としてはマジメな人ほど思想で凝り固まったり自己本位的的な人が多くいるような気がします。(要介護者に限度を超えた干渉をして訴訟沙汰のトラブルを作った一所懸命なボランティアさんを知ってます)意思の強さや統制力を持ち上げるのは分かりますが、公平を重視する行政の代役としては明らかに不適格でしょう。

Kさんも大規模ボランティアに参加したのであれば意見の崩壊しやすさ・暴走する同僚の恐怖・不和を宥める難しさを感じた事があるのでは?この件は人によって感じ方が違うでしょうから絶対とは言えませんが、残念ながらボランティアの力量はそうした面で明らかに負担に耐えられないと思われます。(有償ボランティアよりさらに高額の給与を与えれば機能するかもしれませんが…)
2011年10月17日 23:20
ボランティアは、消防団の現場から病院に直送された経験のある管理人さんです。(マジ、死にかけた)

んー。
というか、記事冒頭のとおり、自分が糊口をしのぐための労働もせず、毎日8時間以上ボランティア労働をする人が、300万人も存在可能なのか・・・というところが、本論で、その他は蛇足みたいなもんです。はい。
無知ですみません
2012年06月26日 22:45
300万人の公務員のうち全員をボランティアに頼るor頼らないと2択では無理に決まってますよ。
でも市役所とかの受付とか単純な仕事ならボランティアの人でも良いんじゃないですかね
2012年07月03日 22:26
管理人さんです。

基本、今、受付さんは、ほとんどアルバイトさんですねぇ。
んで、何か問題等が発生すれば、正規職員が出てくるみたいな。

実際のところ、責任を持たない人が、組織の最前線に居るなんて、勘弁してもらいたいもんですので、アルバイトさんが、限界ではないかと。

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